2020年度春期 I.カント『永遠平和のために』 参考文献
◇カントの政治哲学概要
『カントの政治哲学入門 ─政治における理念とは何か─』(2018、白澤社) 網谷壮介
当ゼミナール講師の共同研究仲間でもあり、講師のカントの政治哲学の解釈とも近いとのこと。
この本では、カントの法哲学上の主著である『法論』(『人倫の形而上学・第一部・法論の形而上学的定礎』1797)を取り上げて読解が行われています。「『法論』に触れなければ、カントの政治思想の全体像・体系性を理解したことにはならないだろう。カントはそこで、人間の自由を基礎として、どのような国家であれ目指さねばならない、理念的な方と政治のあり方を論じているのだ。」(本文10頁より引用)
難解なカントの著書、そのなかでもとりわけ難易度が高いといわれる晩年の大作『法論』が、明晰に読みやすい解説で記されています。(2020.5.25追加)
◇国際政治思想入門
『国際正義の論理』(2008、講談社現代新書) 押村高
「国家の主権」と「人間の安全保障」の拮抗する時代に。カントの『永遠平和のために』で語られる国際的な国家間の関係から現代の国際政治を眺めると、また新しい発見がありそうです。(2020.5.25追加)