2020年度 春期ゼミナール『永遠平和のために』読書会(全4回)
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2020年度「少し長めの思想書を読む」
これまで当ゼミナールでは、 近現代ヨーロッパの政治哲学にかんする古典を輪読してきました。 2018年度にはユダヤ人問題や全体主義に近代的な啓蒙思想の隘路を見たアーレントの諸論考を読み進め、 2019年度にはそこから遡って啓蒙思想のさまざまな形態を、 イギリス・フランス・ ドイツの国境をまたいで旅するように眺めてきました。 これまでは体系的な大部の哲学書ではなく、 啓蒙思想のもう一つの姿であるエッセイ形式の簡潔な文章を一回完結で読んできましたが、 2020年度はもう少し長めのテクストを、 数回に分けて輪読していく形式で行います。候補文献は、
・ルソー『人間不平等起源論』
・カント『永遠平和のために』
・ディドロ & ダランベール『百科全書』(序論および代表項目、岩波文庫)
・ヴォルテール『寛容論』
・アダム・スミス『道徳感情論』
等です。 このなかから一冊を選び時間をかけて読み進めていくことで、 現代世界のあり方や未来像について、 その思想的な基盤にまで遡って考えていくことができたらと思います。
(上野大樹・記)
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講師の上記テーマ設定を元に、2020年4月〜7月はイマヌエル・カント『永遠平和のために』を4回に分けて輪読する事になりました。
第1回 4月16日(木)19時〜21時
光文社古典新訳文庫 148~184頁、岩波文庫11~48頁
第2回 5月14日(木) 19時〜21時
光文社古典新訳文庫 185~213頁、岩波文庫 49~79頁
第3回 6月1日(月) 19時〜21時
光文社古典新訳文庫 214~253頁、岩波文庫 80~118頁
第4回 7月6日(月) 19時〜21時
全体の振り返り
講師紹介
上野大樹(うえの・ひろき) 1983年生まれ。
一橋大学社会学研究科研究員。思想史家。京都大学大学院人間・ 環境学研究科博士後期課程修了。京都大学博士。 日本学術振興会特別研究員DC、同特別研究員PD等を経て現職。 一橋大学、立正大学、慶應義塾大学にて非常勤講師。 最近の論文に、"Does Adam Smith's moral theory truly stand against Humean utilitarianism?" (KIT Scientific Publishing, 2020), "The French and English models of sociability in the Scottish Enlightenment" (forthcoming).